1月17日に無事ホヤの種苗採取作業をいたしました。
新聞で見た方もいると思いますが、記事として更新いたします。震災前にも旧組合でホヤの種苗採取作業は行われていました。
種苗採取作業をわからない方のためにこの記事では手順などを簡単に説明します。
1. 船越湾(吉里吉里側)の天然ホヤを採取、成熟度(産卵期かどうかの)を調査します。
採取は潜水士さんに依頼して採取してもらい、調査は岩手大学の梶原教授に調査依頼しました
期間 平成24年11月下旬~平成25年1月中旬まで
2. 成熟度調査がOKなのを確認して、採卵するためのホヤ400個を採取、吉里吉里の集荷場内にてタンクにいれ採卵まで光を当てて産卵を抑制させる。
期間 平成25年1月9日~平成25年1月16日まで
3. 気温や天気に注意しながら、16日の夕方から光を消して翌日の昼頃に産卵させるように促す。
翌日にホヤ養殖業者11名+沿岸広域振興局2名+岩手大学3名にてホヤの種苗採取作業をしました。
ホヤは水温10度前後で成熟度が産卵状態に達すると日の出(光を浴び始めて)約4時間後に産卵します。その性質を逆手にとり、夜を経験させずずっと光を当てることにより産卵を抑制できます。
4. 1月17日 昼くらいに産卵を開始して約1時間くらい放置することでたくさんの産卵させます。
刺激などは産卵をやめる可能性があるため注意します。そしてある程度産卵させたところで流水による採卵作業を開始しました。
このように水を少しずつタンクに流していきます。
そしてタンク横の塩ビ管から水をだして、特製の種苗受け筒(塩ビ管)の底に目の細かい布を張ってあります。それにより卵が布の目を超えずに残り、水だけが流れていく構造になっています。
ある程度ためたら写真中央のバケツにいれ10リットルためたのを…
よく撹拌して、バケツから1ml×3個をスポイトで採取して透明な皿にのせて…
卵の数を肉眼で数えます!
その数えた卵の平均値×1万でバケツ10リットル内の概算による卵の個数を計算します。
概算で計算した卵を9mmパームロープの入ったタンクに入れて行きます。
これを何度も繰り返して計算上必要な卵を入れたら終了となります。
ちなみに今回はロープが1,650m、着床率が5%で計算して660万個の卵をタンクに入れました。
現在卵から順調に孵化しています。着床まで1週間ほどなので1月24日あたりに次の作業をする予定でいます。