大槌では生ワカメ2割、ボイル塩蔵ワカメ8割の割合で生産しています。震災により105,650mの養殖施設が全流失し、養殖業者は67名から39名に減少してしまいました。今後は養殖施設の復旧を進め、45,400mまで整備していく予定です。
ワカメは夏に芽株より遊走子を放出させ、種付けしたそのロープを11月頃に太い幹ロープ(24mm)に巻きつけします。その後、2~3メートルに成長したワカメを3月~5月にかけて収穫し、出荷します。収穫が終わったあとの6月頃には枯れてしまいます。
震災によって、42,350mの養殖施設が全流失していまい、養殖業者は50名から15名に減少していまいました。今後は、養殖施設の復旧を進め、12,800mまで整備していきたいと考えています。
ホタテ養殖は5月~6月にかけて天然採苗用のネットを海中に垂下し、9月ごろ2センチ前後に成長した稚貝を採取します。さらにネット籠で半年ぐらい養殖し、耳吊り養殖に移行していく養殖と、他県から7センチ位の半成貝を購入し養殖する方法の2種類で行われています。
大槌湾と船越湾では、大槌川と小鎚川の2河川が流入し、海中プランクトンが豊富なため、プリっとした身に成長し、大変好評です。震災により、6,200mの養殖施設が全流出してしまいました。今後、4,300mまで整備していく予定です。養殖業者は震災前の6名から新たな養殖に挑戦する方も現れ、現在12名です。また、天然に岩ガキという種類がありますが、今後、養殖化に向けて挑戦したいと考えています。
2種類の水揚の比率は、くろかぜが8、ぼうずかぜが2の割合。 採捕にはタモと2本カギを使用します。震災後、ウニがほとんど見つからず、1年漁を中止しましたが、平成24年は漁を再開するまでに回復しました。海藻が多い年にはコンブなどの海藻を食べて、身入りの良くて甘くておいしいウニになりますが、海藻のせいで海の底が見えにくく、不漁になることが多くなります。
北海道~福島以北はエゾアワビ、福島以南~九州・沖縄はクロ、マダカ、メガイアワビなどが生息しています。
採捕は、水深2~15メートルに生息しているアワビを箱メガネで海底をのぞき、岩盤に付着しているアワビを、一本かぎやタモを使用し採捕します。震災前は延縄式による養殖アワビの生産も行っていましたが、養殖していた籠が全流失したため、現在は、天然エゾアワビの水揚げのみ行っています。
平成27年度から大槌学園ならびに吉里吉里学園の先生方が主体となり、地元の生産者の方々と協力して、大槌町の名産品である新巻さけをつくる体験教室を開催しています。新巻さけづくりを通じて、大槌が歩んだ歴史や大槌の良さを生徒たちに知って貰おうと始めました。
平成25年度からのサケ稚魚放流には、地元の幼稚園児や小学生を参加してもらい、子どもたちにサケの一生などを教えるとともに魚や海での仕事に関心を寄せてもらえるよう、放流事業を進めていきたいと考えています。